『以心』(東京湾臨海署安積班:桜井×黒木)




薄く開いた唇から小刻みな吐息を漏らすところとか、焦らすと少しだけ眉を寄せるところとか、喉奥で小さく喘ぐところとか。


黒木の、こちらが与えたものに対して意図せず反応してしまう所作が、桜井は好きだった。

媚びた演技やあからさまに感じていることを伝えようとする姿勢よりも、盛り上がりには欠けるが色気があっていい。自分の計算高さを認めているがゆえ、付き合う相手に飾り気のなさを求める桜井にとって、根が真面目で素朴な黒木は一緒にいる人間としては理想のタイプだった。加えて、普段は控えめでもいざというときには身を呈して躍動する姿勢には、同じ刑事として尊敬の念を抱いていた。桜井も過去に一度、命を助けてもらったことがある。


しかし桜井はそれらのことを、黒木本人に伝えたことはないし、今後もあえて言わないと決めていた。


理由は、2つ。

ひとつは、関係の主導権を取るために表向き、惹かれているのは鍛え上げられた体と几帳面な性格が村雨という桜井が組んでいる部長刑事に似ていることにであって、黒木本人への興味は二の次だということを、ことあるごとにほのめかしているから。

そしてもうひとつは、黒木が自分のことをどう思っているのかがいまいち分からないために、正直な気持ちを伝える自信がないからだ。


桜井は、歳こそ26と職場の中では若手に入るしやる気も十分あるが、自分を積極的にアピールするタイプではない。むしろもうちょっと個を出してはどうかと、上司である係長、安積に心配されているくらいだ。そして桜井より3つ歳上の黒木は、それに輪をかけて寡黙で無口だった。刑事という職業柄、まったく無言ということはないのだろうが、組んでいるのが他ならぬ須田部長刑事だから、きっと現場でも同じようなんだろう。事実、聞き込みから戻ってくるときの二人は、一生懸命話をしている須田に対し、その半歩後ろで無言で頷く黒木、というのが定型になっている。また意見を求められる場面でも、決して軽々しく応えず、熟慮に熟慮を重ねて慎重に発言するのだ。


それはプライベートでも変わらずで、桜井の誘いで何度か二人きりの時間を過ごしたが、黒木の口から現状のこの関係に対して、肯定も否定も疑問も、とにかく何かを言われたという記憶が、桜井にはない。たぶんこれから先も、こちらから尋ねない限り何も言われないだろう。

それでもいいかと開き直る反面、まったく気にならないといえば嘘になる。


ぼくのことどう思ってるのか、黒木さんの気持ちを教えてください。


ときどき、正面から直球勝負をかけたい衝動に駆られるときもある。でも言ってみたい一方で、口にしたら最後という気もしていた。

ものすごく引かれそうというか、がっついてるみたいでみっともないというか、いまさら気恥ずかしいというか。

「別に」の一言で片付けられたらどうしよう、とか。

そんな、大げさにいえば恐怖に似た感覚を隠そうと、桜井はつい、黒木に対して頻繁に「刑事として目標にし敬愛している」村雨の話題を持ち出してしまう。黒木は基本黙って桜井の村雨賛辞に耳を傾けているが、ときどき、心底感心したように、さすが村雨さんだな、とつぶやくこともある。そんなときはすかさず、そうなんですよ! と、必要以上に大げさに返してしまうのも常だった。

その自分の反応を黒木がどう感じているのかも、聞いてみたいと思いつつ聞けないままでいた。




その日、東京湾臨海署刑事課の強行犯第一係には、安積係長、黒木、桜井しかいなかった。村雨と須田は地域課主導の防犯対策会議に臨時で出席のため夕方まで不在。緊急の案件もなく、電話もなく、午前いっぱいは3人ともたまった書類を黙々と片付けていた。


桜井が今日初めて鳴った電話を取ったのは、12時を5分ほど過ぎたころだった。

相手は国際展示場正門駅前の交番巡査で、従業員の一人と連絡がとれないという相談を受けたという。相談者は展示場内にある飲食店の店長。普段から無遅刻無欠勤の真面目な女性なのに昼近くになっても連絡がない、自宅電話にも携帯電話にも出ないから心配だ、家を見て来てほしいと、直接駅前の交番に来て頼まれたとのこと。それだけであれば何もこちらにまわさなくてもいいのだが、最近何か対人関係のトラブルを抱えていたようだという店長の証言を加味し、念のため強行犯に連絡を入れたそうだ。

桜井の報告を黙って聞いていた安積はわかったと言って頷いてからちらと時計を見た。

(安積さんと行くのかな)

心持ち、桜井は背筋を伸ばした。以前、まだ臨海署の規模が小さくて「ベイエリア分署」と通称されていたとき、桜井は安積係長と組んでいた。気心が知れていないわけではないが、久し振りに行動を共にするとやはり緊張する。しかし、安積が呼んだのは、黒木の名前だった。

「聞いていたと思うが、国際展示場正門駅前の交番からの通報だ。桜井と行ってくれ」

「わかりました」

言うが早いか、黒木はすでに支度を始めている。桜井も慌てて自分の席に戻った。

支度をしながら桜井は、そういえば今日は係長以上が招集される会議があるということを思い出した。普段ならいざ知らず、会議があると明確な日に、部下2人がいるにもかかわらずその係のトップが現場に出てしまっては課長に迷惑がかかるかもしれないという判断なのだろう。もしくは、若手二人の実力を試す良い機会だと思った可能性もある。


出口に立ったのが早かったのは、意外にも桜井だった。いつもなら身支度を整えるなり出口に立っているのに、今日は年下の桜井が自分より遅れて見えないよう、気を遣って半呼吸置いているようだ。こういうさりげない行動に、黒木の生真面目さが見えて嬉しくなる。桜井はこっそり口元を緩めた。




無断欠勤をした女性の名前は大森さやか、28歳。履歴書の写真は、地味だがかわいらしい印象があった。

住まいであるマンションの最寄りは有楽町線の辰巳駅。勤務先から入手した住所をもとに現場につくと、驚いたことにすでに部屋の鍵が開けられていて、年配の女性が交番勤務の巡査に付き添われ、玄関のたたきですすり泣いていた。

二人に身分を明かしてから中を覗くと、予想通り、玄関の真正面に位置している開け放たれたリビングに、女性が一人倒れていた。その独特の空気と、匂い。死んでいることは明らかだ。

年配の女性はこのマンションの大家で、大森さやかの母親の親友であるという。秋田出身のさやかが上京したときに自分が経営していたこのマンションを世話してやり、頻繁に交流があったそうだ。

大家の話によれば、さやかには2年前から交際している彼氏がいた。名前は市井勇一、職業は獣医。歳はさやかより2つ3つ上で、港区で代々続く小規模な動物病院の長男だと紹介されたそうだ。知り合った経緯はさやかの勤務する国際展示場内で動物関連のイベントが開かれたとき、関係者の昼食を用意する仕事を通じてで、さやかの大人しいがしっかりした面に勇一が惚れこんだ末の交際だったようだ。半同棲のような時期もあったが半年ほど前から市井が家に寄り付かなくなり、ここ1週間ほどは別れる別れないでかなり揉めていて、口論というより勇一の一方的な怒声が絶えなかったことを心配していたという。昨晩も勇一が来ていたがいつもより怒鳴り声が強く、「死ね」「殺してやる」という物騒な単語もとびかっていたため、そろそろさやかの母親に連絡したほうがいいのではと考えていた矢先だった。

「お昼ごろ店長さんからさやかちゃんと連絡がとれないって聞いて、うちには合鍵があるから、そしたら……」

もっと早く見に行っていたら……そう言って、彼女はまた嗚咽を漏らし始めた。

遠い郷里から離れて自分を頼ってきた親友の娘を、実の娘同様にかわいがってきたのだろう。生前のさやかを語る言葉の端々にそれがにじみ出ており、涙には助けてあげられなかった悔しさが感じられた。

こういうとき、桜井は本当にいたたまれない気持ちになる。

短い慰めを告げてから大家を巡査に任せ、桜井が黒木とともに部屋の中に足を踏み入れようしたときだった。

「なんだ、お前ら!」

突然背後から一喝されて、二人は動きを止めた。

振り向いた先には、鑑識と機捜を連れた、中年の刑事が二人。

片方はまだ普通の表情をしていたが、もう片方はひどく立腹しているようだ。

若い巡査が黒木と桜井に向かって驚きの表情で言った。

「あれっ、深川署の強行犯の方ですよね?」

臨海署だと始めに伝えたことを黒木が告げると、巡査の顔色がとたんに青くなった。

同じ事件の通報が別々の場所からなされることはよくあることだ。その結果、違う署の刑事が同じ現場に立つことも多々ある。今回のバッティングは交番巡査のミスが原因であるとはいえ、通常であればそんなに珍しい場面ではない。しかし、現場である辰巳1丁目はもともと深川署の管轄だったところを、臨海署の新設にともなって変更されたばかりの区域だ。立地も極めて隣の潮見に近く、潮見の管轄は深川署である。こういう地区は、悪く言えば所轄同士の縄張り争いが絶えない。

後から来た二人は、案の定、深川署の刑事だった。

背が高く細身で一見物静かそうだが目に険のある刑事は山崎利行、階級は警部補。山崎よりやや背が低くてがっちり体型に特徴的な太い眉、そして桜井たちを怒鳴った刑事が川田勝二、階級は巡査部長。

通常こういう場合は、現着が早かったほうが主導権を持つ。だが、刑事としての階級は黒木が巡査長、桜井が巡査と、臨海署の二人のほうが圧倒的に低い。そして警察は、一般企業よりもはるかに縦社会意識が強い。


話し合いの結果、というか山崎の提案で、とりあえず初動捜査は合同で行うこととなった。血の気が多そうな川田は、若造どもなど今すぐ帰れと言わんばかりの態度だったが。



大森さやかの死因は、服毒と断定してよさそうだった。

遺体の傍には、雑貨店でよく見かける口が広い厚手ガラスのコップが空っぽで転がっていた。少しだが嘔吐した跡もある。また、リビングの隅に置かれている小さなサイドボードの引き出しの一番上に、母子手帳が入っていた。大森さやかは妊娠していたのだ。十中八九、市井の子どもに違いない。手帳の交付日は市井が恫喝していたという昨日だった。

争った形跡はなし。小さな流しには、さやかの傍にあったコップと揃いのものと、空になった梅酒の缶。三角コーナーにたばこの吸い殻がいくつかと空の薬瓶。大森さやかは喫煙者でなかったというから、市井が吸ったものだろう。薬瓶はプラスチックでできており中身は丁寧に洗い流されていたが、これに致死量の何かが入っていたであろうことは容易に推測できる。


捜査を始めて15分ほどが経過したころ、山崎が言った。

「口論の末の殺害って線だなあ。妊娠を盾にされて逆上したんだろうな」

遺体のあるリビングと台所とを交互に見やる。

「揉めてた彼氏、獣医だっけ? それなら毒物の入手も簡単だろう」

「そうですねえ」

川田が相槌をうつ。

「妊娠しただけならまだしも、母子手帳を持っていたとなると産む気だった可能性が高いですよ。そうはさせまいとコップに殺鼠剤だか殺虫剤だかを入れたんでしょう」

それをさやかにこっそり、もしくは無理やり飲ませて死に至らしめたという論だ。

「さっそく、市井を引っ張るか」

「おフダの手続きも並行しましょう。動機は十分ですし、久し振りのスピード逮捕になりそうですな」

「よし、捜査はラストスパートに移るか。黒木に桜井、頼むぞ」

言いながら、山崎と川田は台所や風呂場から背を向け、鑑識たちと逮捕状準備の話を始めた。


頼むぞったって、こっちには意見も聞いてくれないのか。

普段、たとえ一介の巡査の意見でも尊重してくれる安積や村雨に接しているせいか、縦社会の理不尽さを目の当たりにすると、頭では理解していても桜井は腹を立ててしまう。だいたい、山崎と川田の論は状況証拠ばかりだし、根拠も薄い気がする。確かに言っていることは的外れではないのだが、どうもひっかかりがとれない。

「なんかしっくりこないですよね」

村雨からは、ちゃんと根拠を整理してからでないと自分の考えは口にすべきでないと言われている。いつもならそれまで黙っているところだが、今日は相手が黒木ということもあり、桜井は思い切って告げてみた。

「本当に、犯人は市井でしょうか」

黒木は桜井の告白に驚きもせず、たった一言、「理由は?」と返してきた。

「うんと、そうですね、まず……」

まだ整理できてませんけど、一応の保険をかけて、桜井は思い浮かんだことを黒木に話し始めた。

机には被害者のグラスしかなかったこと。騙して飲ませたのなら、容疑者のコップも同じ机にあるか、被害者のグラスも流しにあるのが自然ではないか。

無理矢理飲ませたにしては、机の周りが綺麗だし、抵抗の跡もない。

掃除したとも考えられるが、それなら被害者のコップも片付けるべきだし、吸殻も持って帰っているはず。

市井は逆上しやすいようだが、そういう人間が発作的に毒殺を思いつくというのは考えにくい、などなど。

話ながら思いつくことがあったり内容が前後していたり発言を打ち消したりと、相手が村雨だったら叱責されるじゃ済まないところだが、黒木はときどき短く相槌をうったり、それから、と先を促す以外は無言で耳を傾けている。村雨とあまりに違う反応に、いいのかなあ、須田さんてこんな気分なのかなあと思いつつ、桜井はそのまま話を続けた。

だから、他殺じゃなくて……そこまで言いかけたとき、雷のような怒鳴り声が割り込んできた。

「お前ら、なにこそこそ話してんだ!」

桜井が顔を上げると、川田が険しい顔をしてこちらを見据えていた。明らかに、敵意のこもったまなざしをしている。

頭ごなしに怒鳴られてさすがにかちんときた桜井が抗議しようと口を開きかけた矢先、ついと黒木が前に出た。

「すみませんが、逮捕状の請求は少し待っていただけませんか」

「なんで」

山崎が、川田ほどではないにしろ好意的とは遠い口調で黒木に問う。

「君らも状況は理解しただろう。どう考えても、犯人はホトケさんの彼氏じゃないか」

「いえ、これは自殺だと思います」

あんまりはっきり黒木が宣言したので、桜井のほうが驚いた。もちろん、残りの二人もぎょっとしている。しかしそれも束の間、川田はまた声を荒げた。

「遺書もないのに自殺だと?! 明らかに他殺で、やったのは市井だ! それ以上の議論は要らん!」

巡査長と巡査の組み合わせと、警部補と巡査部長の組み合わせでは、どこからどう見てもこちらのほうが向こうの意見に従うべき立場にある。自分より上の階級の人間から議論は必要ないと言われたら、それに従うしかない。

このままでは押し切られてしまう。悪くすれば、生意気な口をきいたと苦情を入れられて、安積係長ほかに迷惑がかかる可能性もある。

しかし桜井が内心でその憂いを嘆くより先に、黒木はいつの間にか携帯で誰かとの通話を開始していた。

少しして桜井の耳に、通話の相手が安積係長であること、黒木はなんの雑味も交えずに、先ほど桜井が展開した論をさらに詳しく、かつ時系列立てて簡潔に淡々と報告している内容が入ってきた。もちろん、「桜井が気付いたことで」という前置き付きで、「自分も納得しました」と付け加えて。

「ありがとうございます」

ほどなくして、黒木が空間に軽く頭を下げる。

「おい、誰と話してるんだ!」

一連の所作をうっかり眺めてしまったのち、我に返った川田が怒鳴ったのと、黒木が山崎に丁寧にお辞儀をして携帯を差し出したのは、ほぼ同時だった。

不審そうな顔をして黒木の携帯をとった山崎が、通話が始まるなり心なしか背筋を伸ばして応対しているのがわかる。それを見て、川田も眉間に皺を寄せたまま黙ってしまった。

しばらくやり取りをしていた山崎は、最後に「了解しました」と言うと、黒木に携帯を返した。

「もう少し詳しく現場を見る。逮捕状はそれからだ」

川田に告げ、黒木と桜井のほうを見る。

「安積警部補の部下だったとはな」

それだけ言って、山崎は被害者の部屋の奥に足を進めた。


その後の捜査で、大森さやかは自殺だったことが判明した。ドレッサーの奥深くから、ないと思われていた遺書が発見されたのだ。それは短いメモ程度だったけれど、さやかの筆跡で書かれたものに間違いなかった。

捜査を引き継いだ深川署が市井勇一を任意で取り調べた結果、毒物、正確には殺鼠剤をさやかの家に持ち込み、本人に手渡したうえで飲めを言ったことは認めたという。しかし本気で服用させるつもりはなく、市井にしてみれば単なる脅しの一部に過ぎなかった。普段の彼女からは、これを使って本当に自殺するなんて想像もできたかった、と。

「そんなに思いつめていたなら、言ってくれればよかったのに……」

さやかが妊娠していたということを聞いたとき、その事実を初めて知った市井はその場に泣き崩れたそうだ。




黒木が安積にくだんの報告を終えるや否や、傍で聞いていた須田がこれ以上ないというほど神妙な顔して言った。

「本当に殺したい奴には殺してやるなんて普段言わないもんなんだよね」

なかには本当にやるのもいるけどさ、付け加えてから、今度は改めて悲しそうに溜息をついて首を振った。

「大森さやかも、彼氏にひと言胸の内を伝えればよかったのにね。可哀想に」

新しい命を宿しながら死を選択してしまった大森さやかに、心の底から哀悼を捧げている。


心にもないことを口にした男と、心にあることを口にしなかった女。

立場が逆だったら、この悲劇は起きなかったのかもしれない。


「知るきっかけはあったかもしれないけどな」

珍しく、村雨が口を開いた。

「須田の見解も一理あるが、人の本心は態度に現れる場合も多いだろう」

「目は口ほどに物をいうってやつ?」

須田の問いかけに頷く。

「まったく気がつかなかったというのは、やはり歩み寄りが足らなかったんだろう」

「もうちょっと、お互いを気にかけてたらよかったのかもね」

須田が、声にさらなる悲しみを込めて呟いた。


そういうものなんだろうか。

村雨の言葉に、桜井は黒木との関係を思い浮かべる。

黒木の気持ちを知るきっかけは、気づいていないだけで実はたくさんあるのだろうか。

注意して察しようと歩み寄れば、黒木の行動に自分への想いが垣間見えるのだろうか。


ふと、桜井は顔を上げた。

目線の先には、既に着席して黙々と書類仕事をこなし始めた黒木がいる。


言葉よりも態度。

もう一度、桜井は胸の内で呟いた。


そういえば、今日の当直は黒木さんだ。昨日も一昨日もかなり遅くまで残業していたから、だいぶ疲れがたまっているはずだ。寝る前に差し入れでも持って行こうかな。刑事部屋に立ち寄って、リクエストを聞くのもいいかもしれない。


つらつらと考えながら、桜井もまた、書類仕事に手を戻した。

いつか黒木との間には、言葉も態度もいらないくらいになれればいいなと思いつつ。



2010.12.7

# 2012.10.20 時系列の齟齬を埋めるために改訂



---


お読み下さりありがとうございました。


桜井は黒木のことが大好きだけど計算高い(公式設定)から、不利にならないようにあえて言わない感じ。

黒木は桜井がなんで自分を誘うのかよくわかってない。村雨さん既婚者だから寂しいのかな、くらいにしか思ってないといい。


# 2012.10.20 追記

改定前は水野さんがいた時期でしたが、いろいろ考えて水野さんが配属される前の話としました。

改定前はこちら。旧サイトのほうから飛べるものについては、古いほうにリンクされています。

inserted by FC2 system