『安らぎ』(兼続×三成)




夜半過ぎ、眠りの浅い自分の隣で深く寝息を立てる兼続を見るにつけ三成は、よく眠る奴だとつくづく思う。


酒を飲んでも飲まなくても、肌を合わせなくてもそうでなくても、兼続が眠っていない夜を見たことがない。


かつて、一度だけ。己の屋敷ならいざ知らず他人の屋敷で熟睡するのは無防備すぎると指摘したことがある。


三成の傍は居心地が良いからな。笑顔で返された答えに眉間の皺が寄ったのは、呆れと照れがあったからだ。


いつまでもこうして傍に居られますように。安らかな寝息に穏やかな微笑みを投げてから三成は目を閉じる。


この先何があろうとも。

末永く、この人の傍に。


2012.4.30


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